国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)は、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」(2次公募)に係る採択課題に決定しました。
採択課題
(2)アカデミア主導型
研究開発課題
麻疹ウイルスベクター用いた新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発
研究開発課題名 | 研究開発代表者 (所属・役職) |
実施期間 | 事業名 (担当部署) |
|
---|---|---|---|---|
麻疹ウイルスベクターを用いた新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発 | 米田 美佐子(東京大学 生産技術研究所・特任教授) | 令和2年9月~令和4年3月 | ワクチン開発推進事業 (創薬事業部創薬企画・評価課) |
|
研究概要 | ||||
本課題で開発するワクチンは、麻疹ウイルスベクターを用いた組換え新型コロナウイルスワクチンである。麻疹ウイルスベクターを用いてコロナウイルス(SARS-CoV2)のスパイクタンパク(Sタンパク)を発現する組換え麻疹ウイルス(MV-SCoV2)を作出し、その実用化のための前臨床試験研究を行う。弱毒生ワクチンである麻疹ウイルスワクチンは、特に細胞性免疫を強く誘導し、その防御効果は極めて高く、終生免疫と言われるほどの長い免疫持続期間を示すなどの優れた特徴を持つ。また、40年以上に渡り世界中で使用され、麻疹撲滅国際キャンペーンも行われていることから安全性も確認されている。我々はこれまでに、組換え麻疹ウイルスベクターを用いてニパウイルスや高病原性鳥インフルエンザウイルスに対するワクチンを開発しており、その技術的基盤、実用化研究の経験を生かして、迅速に前臨床試験を終えて臨床試験に繋げられると考える。 | ||||
進捗・成果 | ||||
これまでに、麻疹ウイルスワクチン株の遺伝子間に新型コロナウイルスのS遺伝子を組み込んだプラスミドの構築を行い、これを細胞に導入することにより遺伝子組換え麻疹ウイルスベクターワクチンを作出することに成功した。このワクチンウイルスが、Sタンパクを高率に発現することも確認した。現在、感染モデル動物であるハムスターにこの組換えワクチンを接種し免疫原性試験を行なっており、組換えワクチンを接種した個体においてSタンパクに対する抗体の上昇を確認している。
(更新日:令和3年1月14日)
|